ＢＭＷ、日本で燃料電池車の公道実験を開始

ドイツ自動車大手のＢＭＷは２５日、水素を使う燃料電池車（ＦＣＶ）の試作車両「ｉＸ５　Ｈｙｄｒｏｇｅｎ（ハイドロジェン）」による公道走行の実証実験を日本で開始すると発表した。同社は約１００台の試作車両を生産。中国や欧州、北米、韓国などでも同様の実験を展開してＦＣＶのニーズの開拓と開発を加速し、２０３０年までの市場投入を検討する。 同日会見したユルゲン・グルドナー水素燃料電池テクノロジー・プロジェクト本部長は、車の脱炭素化に向けた再生可能エネルギーの活用について、発電した電気をそのまま使う電気自動車（ＥＶ）とともに、余剰電力の有効利用やエネルギーの貯蔵・輸送の観点から水素を製造して使うＦＣＶが有力な選択肢だと指摘した。 さらに、リチウムやコバルト、ニッケルなど車載電池に希少鉱物を多用するＥＶに比べて、「ＦＣＶの希少鉱物の使用量は約９割少ない」とも述べ、総合的な環境負荷や原材料の調達負担など面でもＦＣＶには優れた点があるとし、ＢＭＷＥＶに加え、ＦＣＶにも注力すると説明した。 実証実験に使う車両の燃料電池システムは、トヨタ自動車との提携に基づき同社の技術も活用して開発した。約３分の短時間で水素を充塡（じゅうてん）し、約５００キロを走行できるという。今後も、燃料電池システムについてはトヨタとの情報交流など協力を進める。日本では３車両を使い、官公庁での利用などを含め、年末まで公道での実験を行う予定。 ＦＣＶを巡っては、既に乗用車を市販化しているトヨタやホンダがトラックへの展開に取り組んでいるほか、韓国の現代自動車も、商用車向けにＦＣＶ需要が見込まれる中国に燃料電池システムの生産拠点を設けるなど市場開拓の動きが活発化している。（池田昇）

ＢＭＷ、日本で燃料電池車の公道実験を開始（産経新聞） - Yahoo!ニュース

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