希少金属イリジウム5分の1以下に…東京ガスが開発、グリーン水素製造用触媒の実力
東京ガスはグリーン水素製造向けの水電解用触媒製品の開発で、希少金属のイリジウム(Ir)量を従来比5分の1以下に削減する技術にめどを付けた。現在、耐久性評価を行っている。同社はSCREENホールディングス(HD)と協力し、まず2025年秋にIr使用量を同3分の1とした製品の量産体制を整える計画。これに続き同5分の1の製品や非Ir製品の実用化を目指し、水素製造のコストを低減する。
東京ガスがSCREENHDと開発する固体高分子膜(PEM)型水電解向け「触媒層付き電解質膜(CCM)」は、電解質膜に触媒を塗布した製品。触媒を薄く塗布する技術や添加剤を使った触媒低減技術の組み合わせにより、欧州の30年目標値の3分の1のIr使用量を実現した。「PEXEM」のブランド名で事業化する。
これに新たな触媒低減技術を追加し、Ir使用量を欧州目標値の5分の1以下にする技術にめどを付けた。具体的な技術は非公表。水電解の高い性能を確認しており、現在、製品適用に向けて耐久評価を進めている。
さらに、Irを使わない合金触媒の開発を米スタートアップのカリフォルニア・カタリストと進めている。100万個の合金触媒の候補から、高速試験とAI(人工知能)によって8候補に絞った。非Ir合金触媒の評価も順次進める。「総力戦でIrを削減し、競合に対し最も少ない水準を目指したい」(東京ガス)とする。
東京ガスとSCREENHDは、30年頃に立ち上がる大規模水素製造へのCCMの採用を目指し、SCREENの彦根事業所(滋賀県彦根市)に量産体制を整える。25年度末に年産2ギガワット(ギガは10億)体制とし、需要に応じ26年までに最大で同6ギガワットに拡張する。国内外の20社超と商談している。ロール・ツー・ロールで生産し、最大で5000平方センチメートル級の大面積品を提供できる。
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