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東芝ESSがCO2電解装置を27年度実用化、COを高効率生産 SAFの原料に
Morning lark
2025. 7. 3. 07:37
東芝エネルギーシステムズ(東芝ESS)は2025年6月、二酸化炭素(CO2)を電気分解して一酸化炭素(CO)を生産するCO2電解装置の実証機「C2One」を報道陣などに公開した。消費電力は150kWで、年間150トンのCOを生産できる。このCOはSAF(再生航空燃料)など合成燃料の原料となる。この合成燃料を化石燃料の代わりに使えば「最大で約80%のCO2を削減できる」(東芝ESS)という。同社は2027年度にこのCO2電解装置を量産し、市場に投入する計画だ。

東芝ESSのCO2電解装置「C2One」の実証機
20フィートコンテナ1台中、セルスタックは2台設置されている。環境省の人工光合成技術に対する助成事業での実証実験であるため、環境省のロゴがある(写真:日経クロステック)
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コンテナの内部
左上にCO2電解用セルスタックが1台見える(写真:日経クロステック)
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燃料電池スタックの製造ラインを7割流用
CO2の電気分解とは聞き慣れないかもしれないが、水(H2O)を電気分解するとH2Oが還元されて水素(H2)と酸素(O2)に分かれるように、CO2が還元されて、COとO2に分かれる。

セルスタックの拡大写真
セルスタックの大きさは小型段ボール1個ほど。セル1枚の面積は400cm2(写真:日経クロステック)
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CO2電解反応の概要
セルにおける反応系を示した。燃料とO2から電力と水を取り出す固体高分子電解質膜(PEM)形燃料電池(PEFC)の逆プロセスになっている。水(H2O)は電極(アノード)に注入し、酸化されていったん失われるが、カソードでH2Oに戻るため、トータルでは消費されない(出所:東芝ESSの資料を基に日経クロステックが作成)
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この研究開発は世界各地で行われている。ただ、それらの多くはまだ基礎研究段階。燃料電池技術の7割が流用できることに気付いた東芝ESSが、実用化レースでは独走状態に近い。そのせいか、「まだよく知られていないのが悩み」(東芝ESS)という。
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東芝ESSがCO2電解装置を27年度実用化、COを高効率生産 SAFの原料に
東芝エネルギーシステムズ(東芝ESS)は2025年6月、二酸化炭素(CO2)を電気分解して一酸化炭素(CO)を生産するCO2解装置の実証機「C2One」を報道陣などに公開した。
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