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将来の水素社会に備え、吸収式冷温水機が後付けで水素/都市ガス混焼可能に

Morning lark 2025. 8. 14. 07:51

パナソニック 空質空調社、大阪ガスおよび大阪ガスの100%子会社であるDaigasエナジーが、共同開発した水素および都市ガス混焼対応の吸収式冷温水機について説明した。

パナソニック 空質空調社、大阪ガスおよび大阪ガスの100%子会社であるDaigasエナジーは2025年8月7日、オンラインで記者会見を開き、同日発表した水素および都市ガス混焼対応の吸収式冷温水機について説明した。

業務用空調機は各部屋で空調コントロールを行う個別空調と、建物全体の空調を集中的に制御する大規模空間向けのセントラル空調の2つに分類される。パナソニックでは大規模施設/空間のセントラル空調向けに、吸収式冷温水機を1971年から50年以上販売している。

 吸収式冷温水機の仕組みは、“打ち水効果”だ。

 水が蒸発する際に周囲から熱を奪う特性を利用して、冷水を生成する。打ち水効果を連続的に発揮させるため、水が蒸発した際に発生する水蒸気を連続的に取り除く必要がある。その役割を担っているのが、水蒸気を吸収する特性を有する臭化リチウムを主成分とする吸収液となる。そのため、吸収式冷温水域と呼ばれている。吸収液は濃度が濃いほど吸収力を発揮するが、徐々に薄くなり吸収力が弱くなる。そこで、元の濃度に戻すために加熱、濃縮する必要があり、この熱源として各種燃料の燃焼熱や排熱を活用できる。

 吸収式冷温水機はガスや油などを熱源として利用するため、電気を熱源とする空調機に比べて消費電力を抑えられる他、ガス、油、蒸気、太陽熱に加えて、排熱も有効利用できるなど、多彩な熱源に対応する。パナソニック 空質空調社 CAC事業部 吸収式開発部 部長の田村朋一郎氏は「循環する冷媒に水を使用しているため、ノンフロンという観点からも環境性に優れた空調機だ」と語る。

吸収式冷温水機の仕組み[クリックで拡大]出所:パナソニック 空質空調社

多様な将来シナリオに備えが必要、既存機も後付けで対応可能

 各国政府では、野心的な気候変動対策が打ち出されているが、それらの実現には、さらなるイノベーションが不可欠だ。資源エネルギー庁の「2040年度のエネルギー需給の見通し」では、「単一の前提ありきではなく、さまざまな不確実性が存在する」ことを念頭に置き、複数シナリオを設定して分析している。

 Daigasエナジー ビジネス開発部 技術開発チーム 空調・業務用開発グループ チーフの金内健氏は「安定供給を維持した現実的なトランジション手段として、引き続き都市ガスが活用されていくものと認識しているが、将来に備えて、水素などを利用可能な機器ソリューションの準備が必要だ」と話す。

 今回、共同で開発した吸収式冷温水機は、水素または都市ガスのみの運転から、水素と都市ガスの混合燃料で利用が可能だ。また、燃焼制御盤や燃焼制御ユニット、バーナーの交換によって既存機でも後付けで対応できるという。「今後、都市ガスを使用しつつ、水素燃料の活用を検討しているユーザーも安心して吸収式冷温水機をお使いいただける」(田村氏)。

共同開発した水素および都市ガス混焼対応の吸収式冷温水機システム構成[クリックで拡大]出所:パナソニック 空質空調社
 

従来、パナソニック 空質空調社では燃焼反応を解析し、火炎温度を見える化することで、NOx(窒素酸化物)発生原因となる高温箇所を推定。高温箇所の温度を低減させるバーナー設計によって低NOxを実現してきた。ただ、水素は都市ガスと比較して燃焼速度が6倍となり、同じバーナーで燃焼すると火炎温度が局所的に高温化し、NOxが2倍以上発生した。

「われわれは解析技術を活用し、水質、燃焼時の高温箇所、すなわちNOx発生箇所を特定し、その部分に燃焼後の排ガスを供給することで、あえて燃焼をしにくくさせ、燃焼速度を低下、火炎温度を低減することでNOxを都市ガス同等まで抑制させることに成功した」(田村氏)

 燃焼制御に関しては、Daigasエナジーが持つ、デジタル燃焼制御システム「Dr.Flame」を活用した。都市ガスと水素では燃焼した際の発熱量が異なり、その混焼率や使用する冷暖房の出力によっても、燃焼に必要な空気の量が変わる。「水素、都市、そして空気の量を最適に調整するため、精密にコントロールする必要があった」(金内氏)。そこで、それぞれのポイントごとに理想的な空気比を決定し、それをバーナーに供給することで、全混焼率、冷暖房出力において安定燃焼、低NOxを実現した。

 社内の実証実験では、水素100%:都市ガス0%の割合から25%ずつ都市ガスの割合を増やして水素0%:都市ガス100%まで変化させたが、いずれの混焼率でも低NOxを維持した他、COP(消費電力1kWあたりの冷暖房能力)においても満足のいく結果になったという。技術検証は完了しており、今後はユーザーの要望も聞きながら、実用化に向けて検討を進めていく。

 水素の製造や貯蔵、輸送など水素供給網の構築は今後の課題だが、田村氏は「われわれの吸収式冷温水機は30年以上お使いいただける製品だ。今、購入した製品は2050年になっても使い続けられる。将来は、今と状況が変わっている可能性が高いと悩むユーザーに対しても、われわれの商品なら水素社会が来ても本体をそのまま使用できるという提案が可能だ」と述べる。

実証実験の概要[クリックで拡大]出所:パナソニック 空質空調社
実証実験の結果[クリックで拡大]出所:パナソニック 空質空調社