블로그 이미지
Morning lark

카테고리

분류 전체보기 (1330)
Fuel Cell (766)
New Energy (496)
Energy Storage (5)
New Biz Item (1)
Total
Today
Yesterday

トヨタが発売した第2世代「MIRAI」 Photo:Bloomberg/gettyimages

● トヨタが発売した 第2世代FCVの「MIRAI」  トヨタ自動車は、燃料電池車(FCV)「MIRAI」をフルモデルチェンジし、12月9日から全販売店を通じて発売した。  トヨタが2014年に世界に先駆けて「量産FCV」として初代を投入してから6年、この第2世代MIRAIは、短い燃料充填時間で長い航続距離を可能とする「究極のエコカー」として大きく進化した。  菅首相の所信表明での「2050年、カーボンニュートラル脱炭素社会の実現を目指す」という宣言を受けて、政府は2030年に二酸化炭素(CO2)を出さない水素活用に力を入れることになった。そして、発電や燃料電池車向けの燃料としての利用を増やし、「コストを引き下げて普及につなげる」という方針を打ち出している。  これに応じる形で、民間サイドも7日に水素インフラの整備を進める「水素バリューチェーン協議会」(トヨタや岩谷産業など88社)を立ち上げた。  世界的に「EVシフト」が進むと言われるが、電動車とは動力源に電気を使うクルマの総称で、電気自動車(バッテリーEV)だけでなくハイブリッド車(HV)、プラグインハイブリッド車(PHV)、燃料電池車(FCV)があり、世界主要各国の新車販売を電動車に切り替える方針にも、この4種類が含まれている。

 いずれは、EVだけでなく、FCVも使い分けてのゼロエミッション車への切り替えとなろう。もともとFCVは、90年代末に「究極のエコカー」として世界的に注目され、独ダイムラーと米クライスラー合併の引き金となった経緯がある。  トヨタは、今回の第2世代MIRAIでFCVの心臓部であるFCスタック(発電装置)の高性能・小型化、そしてセルの革新など大きく進化させて投入することで真の普及を目指す。FCVの可能性を拡大するとともに、この第2世代FCシステムを商用車に転用することで水素消費の拡大も狙う。  カーボンニュートラルの達成へ、改めてFCVの普及を具現化させるべくトヨタは、「水素社会実現」への大きなステップを踏むことになったのだ。 ● CO2排出ゼロだけでなく よりきれいにして排出  9日の新型MIRAIオンライン発表会でプレゼンしたトヨタの前田昌彦パワートレーンカンパニープレジデントは、その後の懇談で「EVかFCVかの二者択一ではなく、エネルギーがどうなるか、EVも含めてトヨタはフルラインナップを進めていく」ことを強調した。  新型MIRAIは、先述したように、2014年に量産型FCVとして世界初投入してから6年目にしてフルモデルチェンジし「第2世代FCV」として登場した。  初代から引き続き開発責任者として指揮した田中義和ZFチーフエンジニアは「初代はコストも高く、生産面でもFCユニットの生産能力に限界があった。また、初代で学んだニーズも全面的に吸収して、フルパワーで環境車の新たな形を提案する新型MIRAIを仕上げた」と言う。  FCシステム(トヨタフューエルセルシステム)は、FCスタックの小型化と世界トップレベルの出力密度を向上させたことで、水素タンクを初代の2本から3本にして水素搭載量を拡大し、航続可能距離を30%向上、約850キロメートルを実現させた。  新型MIRAIは、FCVの魅力を伝えることはもちろんだが、「走り」や「美しさ」など「クルマの本質」で勝負できる上質なセダンを目指したという。(1)エモーショナルなスタイリング、(2)安心の航続距離、(3)思わず踏みたくなる新感覚の走り、(4)最新の安全装備、などの先進機能の4つのセーリングポイントがあげられている。  これは「クラウンの生産中止」が伝えられる中で、この第2世代MIRAIが「後継セダン」になるとの見方もあるほどだ。

確かにトヨタは、そのキャッチフレーズでも「FCVだから選んだのではなく、こんなクルマが欲しかった。それがFCV MIRAIだった」と強調している。  このほか、ゼロエミッションからマイナスエミッションへの空気清浄機能も売りで、走行中のCO2排出ゼロだけでなく、発電のために吸い込んだ空気を特殊フィルターで、よりきれいにして排出(マイナスエミッション)する。  さらに、災害時、停電時に役立つ大容量外部給電システムも備えた。排気ガスを出すことなく、クリーンな電力を供給する。  また、トヨタブランドで初のアドバンスド・パークの自動駐車装着車を設定、レベル2の自動運転アドバンスド・ドライブ装着車は21年に発売する予定だ。  初代MIRAIの世界販売台数は1万1000台にとどまった。生産台数は、ユニットの生産に限界があり年間3000台程度だったが、田中義和チーフエンジニアは「第2世代は初代の10倍の生産能力がトヨタ元町工場にある。今回、あえて販売目標台数を設定しないが、『花とミツバチ』の好循環としたい。ユーザーニーズに柔軟に対応し、SUVモデルのFCVの投入もある」と意欲的な発言をした。  新型MIRAIの販売価格は、初代モデルより30万円安の710万~805万円だが、エコカー減税などの優遇額が約140万円前後、そして東京都の場合、自治体補助金80万円もあるので220万円程度、減額されることになる。 ● 「水素社会の実現」への 大きなステップ  トヨタは、この第2世代MIRAIを「水素社会の実現」への大きなステップとしている。  前述の通り、菅首相のカーボンニュートラル宣言には水素エネルギーの存在は欠かせないからだ。  「水素バリューチェーン推進協議会」には、梶山弘志経済産業大臣も出席して水素インフラの整備へ「幅広いプレイヤーを巻き込んでコスト削減を進めていく」としている。同協議会の共同代表には内山田竹志トヨタ自動車会長が就任している。

 豊田章男トヨタ自動車社長は、かねてからFCVと水素インフラの関係について「花とミツバチのように互いに助け合う関係で、インフラ事業者がビジネスしやすい環境づくりを」と語っている。その意味では、第2世代MIRAIにおけるFCスタックの進化は、商用車転用に向けてのステップになる。  8日、トヨタグループの日野自動車が、セブンイレブンなどコンビニ大手3社と21年に燃料電池(FC)トラックを活用した配送の実証実験に取り組むと発表したが、これは新型MIRAIのFCシステムを転用するものである。 ● 初代から大きく進化した 上質なセダン  筆者は、新型MIRAIの発表後に前田昌彦執行役員と田中義和チーフエンジニアとの懇談、そして試乗の機会を得た。  前田執行役員は、来年1月1日付けでトヨタの技術・開発を統括することになる。前田氏は「FCVの可能性が拡大し、エネルギーの多様性がすごい勢いで進んできている。その一つが水素社会であり、政府のリーダーシップを含めてそれぞれの役割を見いだすことで、この第2世代MIRAIへの期待は大きい」と語った。  試乗した印象は「初代から大きく進化した上質なセダン」という感じで、「走れば走るほど空気をきれいにするFCV」というコンセプトを実感した次第である。  トヨタが97年に赤字覚悟で量産ハイブリッド車プリウス投入に踏み切ってから20年余。トヨタHV戦略は日本だけでなく世界を主導してきた。このハイブリッド技術はトヨタのFCV・EVに結実しつつある。  MIRAIは、その名の通り「水素社会実現への未来」を切り開くことになるのか、注目していきたい。  (佃モビリティ総研代表・NEXT MOBILITY主筆 佃 義夫)

Posted by Morning lark
, |