豊田自動織機、エアコンプレッサーと水素循環ポンプを開発
トヨタ MIRAI 新型
豊田自動織機は燃料電池向けのエアコンプレッサーおよび水素循環ポンプを新たに開発。12月9日にトヨタが発表した新型トヨタ『MIRAI』(ミライ)に搭載された。 関連画像を見る FCVは酸素と水素をFCスタック内で反応させることにより発生した電気を用い、モーターを駆動して走行する。酸素はエアコンプレッサーにより大気を吸引・圧縮して、FCスタックへ供給。また、水素は水素ステーションにて充填された高圧水素タンクから供給される。さらに、発電時、未反応だった水素と発生した水は、水素循環ポンプによりFCスタックから吸引。水素は再度FCスタックへ送られ無駄なく使用されるとともに、余分な水は外部に排水される。このように、エアコンプレッサーと水素循環ポンプは、FCVの発電システムにて重要な役割を担っている。 FCVは、始動後、絶えず酸素と水素をFCスタック内で反応させるため、エアコンプレッサーはアイドリング時の小流量から加速時の大流量まで、効率よく大気を吸引・圧縮することが求められる。 今回、同社はカーエアコン用コンプレッサーで培った圧縮技術をベースに、エアコンプレッサーの空気圧縮部を、量産品としては世界初となる「可動ローラー式増速機」を用いた遠心式に変更した。これにより、圧縮部のインペラーを超高速回転させることが可能になり、新型MIRAIの高出力化に大きく貢献している。さらに、増速機内部の可動ローラーが空気流量の変化に対応しながら最適位置に動き、モーターからインペラーへ動力を伝達することで、小流量時・大流量時共に効率的に空気を圧縮。従来モデル比で圧縮効率を24%向上させるとともに、35%の軽量化、45%の小型化も実現している。 一方、水素循環ポンプは、発電時、未反応だった水素と発生した水を、効率よく循環させることが求められる。 今回開発した水素循環ポンプは、「新シール構造」を用いることで耐食性を向上し、素材を従来のステンレス製からアルミ製に変更。これにより、41%の軽量化を実現している。 このほか、新型MIRAIには、同社製カーエアコン用コンプレッサーおよび水素循環ポンプ用インバーターが搭載されている。
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