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 アルカリ水電解(AWE)やプロトン交換膜(PEM)に比べて、開発メーカーが極端に少なかったのがアニオン交換膜(AEM)形水電解装置である。ただし、技術的にはAWEとPEMのいいとこ取りとも言われ、優れた点が多い。特に、触媒に高価なレアメタルが不要で、コストをPEMに比べて大幅に下げられる可能性がある。

 課題は耐久性の確保で、セルスタックはまだPEMの数分の1程度の時間しか使えないもようだ。この点についてこれまで唯一、製品化していたドイツEnapterの戦略は、電気自動車(EV)を刷新した米Tesla(テスラ)のそれに似ている。つまり、非常に小さなモジュールを多数使い、制御していくことだ(図1)。

図1 Enapterは超小型モジュール戦略を採用
世界で初めてAEM形水電解装置を製品化したEnapterのシステム拡大戦略。最小構成では、セルスタックと補器を寸法が482mm×635mm×266mmと、机に載るほど小型の筐体に収めた(a)。規模拡大時は、セルスタックの数を増やす一方、補器を共通化する(b)。セルスタック420個から成るシステムも開発中だ(c)(出所:(a)は日経クロステック、(b)、(c)はEnapter)
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 具体的には、MW級の大型装置でも、出力が0.5Nm3/時と手で持てるほど超小型のセルスタックを多数使う設計にした。こうすると、セルスタックが1つ壊れても制御で全体には影響が出ないようにでき、交換も容易になる。Enapter製品の輸入代理店の1つで機械系商社兼システムインテグレーターの三國機械工業 環境プロジェクト本部 プラント営業部長の三田逸郎氏は、「数を量産することが、コスト低減への早道という考えもEnapterにはあるようだ」という。

 三田氏によれば、あまり知られていないAEMの特長として、カソード側に漏れてくる水がPEMに比べて大幅に少ない点を挙げる(図2)。PEMでは水が漏れるのを防ぐ仕組みがないのに対し、AEMでは隔膜を透過してきた水がカソードで即座に分解されるからのようだ。

図2 AEMは乾燥器が小さくてよい
AEM形水電解の特長の1つは、水がカソード側に漏れにくい点。PEMでは水はプロトンの単なる運び役で、カソードから多くが漏れ出てしまう。一方、AEMでは、カソードに到達した水は即座に還元され、水素の形で発生すると同時に、OH-はアノードに向かう。結果、漏れてくる水は少ない。これで、水の大型タンクや大型の乾燥器(ドライヤー)が不要になり、システム全体のコストやランニングコストが低減する(出所:日経クロステック)
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部材では激しいシェア競争も

 最近は、Enapterに続く装置メーカーや部材メーカーも複数登場してきた。例えば、カナダCipher Neutronは2023年8月以降、AEM形の製品を幾つかのグリーン水素プロジェクトに納入し始めた。ただし、現時点では装置の規模は10kWと小型だ。特長は、PFASフリーであることだとする。

 また、第2部で紹介した、工場の規模が計画では15GWと現時点で世界最大の米EvolOHもAEMを採用した。

 AEM向け隔膜またはMEAでは、実はトクヤマやドイツFumatechが以前から製品を出荷している。最近はこれに、米Dioxide MaterialsやドイツEvonik Industriesも参戦。さらに、上述のようにパナソニックも、NiFe-LDHをアノードに用いたMEAで参戦する(図3)。近い将来、競争が急速に激しくなりそうだ。

(a)アノードにNiFe-LDHを用いたAEM用MEA
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図3 パナソニックはAEMにも参戦
パナソニックのAEM膜(a)。AWEと同様、アノードの触媒にNiFe-LDH(Layered Double Hydroxides)を利用。隔膜にはAgfa-Gevaertの競合品を用いた。従来のIrO2触媒に比べて低い過電圧を実現できるという(b)(出所:(a)はパナソニック、(b)は同社の資料に日経クロステックが加筆して作成)
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後発の水電解技術AEMにも参戦続々、耐久性克服なら主役級

 アルカリ水電解(AWE)やプロトン交換膜(PEM)に比べて、開発メーカーが極端に少なかったのがアニオン交換膜(AEM)形水電解装置である。ただし、技術的にはAWEとPEMのいいとこ取りとも

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