パナソニックが安価で高活性なアルカリ水電解触媒、25年実証・30年普及へ
New Energy / 2023. 12. 22. 08:11
パナソニックグループはテクノロジー見本市「CES 2023」(2023年1月5~8日、米国ラスベガス)で、アルカリ水電解のアノード触媒としての機能を持つ材料を初公開した(図1)。ニッケル(Ni)と鉄(Fe)から成る材料で、特徴はプロトン交換膜(PEM)形水電解のアノード触媒として一般的な酸化イリジウム(IrO2)よりも高活性であること、貴金属を用いないため低コストであることの2点である。ただし具体的な電解効率の情報は非公開である。
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図1 アルカリ水電解用のアノード触媒としての機能を持つ材料
サイズはA0(841mm×1189mm、1m2)である(写真:日経クロステック)
同社によると水電解装置には大きく3種類あり、安いアルカリ水電解、レスポンスが速いが高価な触媒を使うPEM形水電解、低コストかつレスポンスも速いアニオン交換膜(AEM)形水電解から成る。
同社では当初、AEM形水電解を想定して触媒開発を進めていたが、「AEM型はプレーヤーが世界中でほぼ1社しかなく、現在のところ短期的なビジネスには向かない」(パナソニックホールディングス 技術部門 テクノロジー本部 マテリアル応用技術センター 3部 2課 主幹研究員の朝澤 浩一郎氏)と判断し、アルカリ水電解に方向転換した。AEM形とアルカリ水電解は同じ化学反応を起こすため、共通の触媒を用いやすい。開発をアノード触媒に絞っているのは、「それが水電解全体のエネルギー効率を大きく左右するため」(同氏)という。
パナソニックが安価で高活性なアルカリ水電解触媒、25年実証・30年普及へ | 日経クロステック(xTECH) (nikkei.com)
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