ビール工場排水 発電に利用 長崎製の燃料電池を納入
アサヒビール茨城工場に導入した燃料電池メガミー(右手前)=茨城県守谷市(MHPS提供)
三菱日立パワーシステムズ(MHPS、横浜市)などは26日、ビール工場排水由来のバイオメタンガスを利用した燃料電池による発電の実証事業を、アサヒビール茨城工場で始めると発表した。長崎市のMHPS長崎工場で製造した固体酸化物形燃料電池「MEGAMIE」(メガミー)を導入。10月に本格稼働する予定。 実証事業はアサヒグループホールディングス株式会社(東京)の独立研究子会社アサヒクオリティーアンドイノベーションズ(茨城県守谷市)が実施主体。三井住友ファイナンス&リース(SMFL)がリースで資金提供し、環境省の補助金も活用する。 MHPSによると、発電出力は200キロワット。年間発電量は約160万キロワット時で一般世帯約350戸分の電力を供給できる。通常発電と比べ、年間千トン程度の二酸化炭素(CO2)排出量削減を見込む。 アサヒは、ビール生産の排水処理過程で発生するバイオガスを高純度に精製する仕組みを開発。小規模の燃料電池で発電する試験に成功している。今回は世界最高クラスの発電効率のメガミーで、実用化に向けた最終試験を行う。 メガミーは2017年発売。MHPS長崎工場で製造され、納入実績は3社3基目となる。通常は都市ガスを燃料に電力と熱(蒸気)を供給するが、バイオガス精製設備と組み合わせて大幅にCO2排出を抑える。 今後、アサヒは幅広い業界に今回の技術を普及させるために特許を取得せず、情報公開に努める。MHPSはさまざまな未利用エネルギー源を活用できる発電システムへの展開を図る。
https://news.yahoo.co.jp/articles/eec3752ff48d82f09287e513de1edcdced9ce8cf
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