ミライの燃料電池スタック、330枚のセルを3.2トンで締め上げ
「え、3.2トンも!?」
トヨタ自動車の燃料電池車(FCV)である新型「MIRAI(ミライ)」の燃料電池(FC)セルを格納する、FCスタックのケースの蓋にかかっている圧力を調べてみた結果だ。
ミライのFCスタックのケースは、330枚のFCセルを重ねて片側から14本ものボルトで締結する構造になっていた。分解作業のなかで、考えなしにボルトを緩めてみたところ、蓋が傾いてしまい、元に戻すのに苦労した。
この失敗から、かなりの圧力で締結されていることが推測できた。そこで、ハンドプレス機を使って簡易的にその圧力を調べてみたのだ。
FCセルの総締めしろは約100mmだった。これにハンドプレス機を使用して圧力をかけ、蓋が完全に閉まったところで圧力計の値を読み取った。結果、その荷重は約3.2トン。セル1枚当たりの厚さは1.4mmから1.1mmに圧縮された。その面圧はセル1枚当たり約10kgと計算できる。
これほどの圧力をかけて締め上げるのは、FCセル内やFCセル間に流れる空気と水素ガス、冷却液が流路以外から漏れないようにするためだ。FCセル自体は、気体および液体の流路形成と集電体の役割を持つチタン(Ti)製プレート(セパレーター)の内側に、MEA(Membrane Electrode Assembly、膜電極接合体)と呼ぶ反応部を持つ構造となっている。
セルは外部から見ると、2枚の金属プレートを重ねた板で、金属プレートの枠と、セル間をつなぐ流路の穴の周辺にシール用樹脂が塗布されている。これを高い圧力で締めることで、シール用樹脂が密着し、ガスを漏らさないようにしているのだろう。
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