世界初水素活用100%再エネ パナソニック工場で実験開始 課題は?
パナソニックが15日、滋賀・草津市にあるパナソニック草津工場で、工場で使用する電力の全てを再生可能エネルギーで賄う実証実験を始めました。 電気をつくり出すのは工場の敷地にずらりと並んだ太陽光パネル。その数は1820枚です。ただ、太陽光発電は天候に左右され安定的な発電ができないことから、工場の電力としては不向きともいわれていました。そこで今回、組み合わせて使われるのが、水素で発電する燃料電池です。燃料電池は高さ1メートル76センチ、幅83センチ、奥行き42センチで、その数は99台です。 「『エネファーム』という家庭用燃料電池をベースに作成した。小型の燃料電池を連結させることで、例えばメンテナンスしているときにも他の燃料電池で補完できるので、エネルギーを止めることなく継続的に供給することが可能だ」(パナソニックの重田光俊執行役員) 小型化により必要な電力量に応じて、必要な台数だけ発電させたり、停止させたりすることができるため、効率的だといいます。 こうした水素を本格的に活用し、工場のすべてを再生エネルギーで賄うのは世界初です。さらに余った電気を蓄えるリチウムイオン蓄電池を活用し、太陽光、水素、蓄電池の3つで工場で使う電力を賄います。パナソニックは今回の実証実験を経て、来年度から国内外の企業に向け、この発電システムの販売を計画しています。 ただ、課題はコストです。現状では燃料電池の発電に使う水素の価格が高く、電気を購入する場合に比べ、コストは2倍以上になります。パナソニックはこうした取り組みが広がれば、水素の価格は下がると見込んでいます。 「先行的にこの水素を利活用する、そのようなソリューションを需要側(電気の使用者側)で実現したい。たとえば商業施設、店舗、スマートシティへの利活用も将来的には考えられる」(重田執行役員)
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