世界初の家庭用水素電池を開発。安全な水素貯蔵技術目指す「LAVO」が海外展開加速
世界で燃料電池産業が急速に成長し、水素エネルギーの産業チェーン全体の成長をけん引している。しかし水素は貯蔵が難しく輸送コストや安全性に課題があるため、水素エネルギーと燃料電池産業が成長するうえでの足かせになっている。水素貯蔵技術を開発する「LAVO」はオーストラリアに本社を置き、2020年にシリーズAの資金調達を実施した。水素吸蔵合金の特許技術を活用し、長期エネルギー貯蔵ソリューションやビッグデータに基づいたデジタルインテグレーションのソリューションを提供する。水素貯蔵の中でもLAVOが注力するのは固体貯蔵技術で、エネルギーが必要な時に燃料電池を使って水素を電気エネルギーに変換する。
LAVOが自社開発した水素エネルギー貯蔵システム(HESS)は事業として運営されている世界初の家庭用水素電池で、特許や認証も取得済みだ。すでに世界で2500件以上の注文を受けている。同製品は約40キロワット時のエネルギーを出力でき、
一般家庭の2~3日の使用量をまかなえる。LAVOは世界の大手通信会社に、ディーゼル発電機に代わる長期水素貯蔵システムを提供して、基地局の脱炭素の需要に応えている。 Alan Yu CEOによると、LAVO初の水素貯蔵システムは製品寿命が長く、貯蔵時の水素の密度が高く、低圧力で安全性が高いという特徴がある。機能面ではテスラの家庭用蓄電池「Powerwall」に近いが、技術路線が異なるため貯蔵容量はPowerwallの3倍近くにのぼるという。同製品の水素のエネルギー密度は12.6MJ/Lで、液体貯蔵や高圧気体貯蔵より2~3倍高い。規定の水素注入、出力条件下では約2万回の充放電が可能で、製品寿命は30年にのぼる。 製品の安全性では、固体金属は水素放出速度の自己調整が可能で、システムは圧力3Mpaで作動するため、水素エネルギーの安全な貯蔵と柔軟な輸送に対応できる。環境保護の面では、水素貯蔵の媒体に特許取得済みの合金成分と毒性のない物質を使用しており、100%リサイクル可能だ。 また、Wi-Fiとスマホのアプリがあれば、この水素貯蔵システムを複数台つなげ、電力需要の高いシーンでスマート発電所とすることも可能だ。同システムは2022年に米タイム誌の「Best Inventions of 2022」のほか、デザイン性を評価されて独「レッドドット・デザイン賞」と「iFデザイン賞」を獲得している。 LAVOはさらに太陽光発電や風力発電の発電所向けに大規模な水素電池貯蔵ユニットを開発している。2023年2月には、オーストラリア・アデレード北部のグリーン水素プロジェクトで丸紅株式会社と提携し、LAVOが5メガワットのバッテリーエネルギー貯蔵システムを提供している。 LAVOの共同創業者Henry Sun氏によると、LAVOは中国の企業と共同で40フィートコンテナに1.1~1.2トンの水素を貯蔵できる初のコンテナ式水素貯蔵システムを開発中だ。これは世界最大規模の固体水素貯蔵プロジェクトとなる。このほか、同社が開発したデジタルプラットフォームでは再生可能エネルギー資産の生産、貯蔵、手配を効率的に管理できる。 Sun氏は、将来LAVOは製品開発を進めながら海外市場を開拓し、産業チェーンを統合していくという。同社は将来中国に少なくとも1つの生産拠点を構築して年間2~3万セットを生産するほか、中国で商工業、アウトドア向けのエネルギー貯蔵製品を開発する会社と大型のエネルギー貯蔵設備を扱う会社を立ち上げる予定だ。
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