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三菱ふそうeキャンターFセルのプロトタイプ(写真)小沢コージ

小沢コージ【クルマは乗らなきゃ語れない】 「ダイムラーとはタイムラインが合わなかったんです」(担当エンジニア)  化石燃料を使わずとも、貯めた水素ガスと空気中の酸素から電気を発生させて走る「究極のエコカー」ともいわれる燃料電池車。この分野では日本が世界を一歩リードしていると思われるが、気になるモデルにチョイ乗りしてきた。三菱ふそうのeキャンターFセル(eCanter F-cell)のプロトタイプだ。  乗用車ではトヨタMIRAIやホンダ・クラリティフューエルセルなどが商品化済みで、商用車部門でも昨年からトヨタの燃料電池バス『SORA』が都内で運行開始。競争は始まっていて、eキャンターFセルも去年の東京モーターショーでコンセプトモデル発表。今年3月には、2020年代後半での量産化もアナウンスされた。

三菱ふそうはダイムラーAGの完全子会社なのに…

燃料電池スタックは中国REFIRE社製(写真)小沢コージ

 よって今回、三菱ふそうの川崎工場内のテストコースで、チョイ乗りとなったのだが、性能以上に気になったのが、基幹部品である燃料電池スタックの出自。中国トップ燃料電池システムメーカーのREFIRE社製であり、率直に疑問を感じたのだ。  なぜなら今や三菱ふそうは、ドイツのダイムラーAGの完全子会社で、ダイムラーは燃料電池SUVのメルセデス・ベンツGLC Fセルを発表済み。そのセルを三菱ふそうでも使えばいいじゃんと思うのだが。  その答えが冒頭で、具体的にはeキャンターFセルの開発があまりに急に決まり、供給が間に合わず募集したところ同社が応えてくれたらしい。

加速感はノーマルeキャンターに及ばず

乗った感じは少々物足りない印象(写真)小沢コージ

 ぶっちゃけ乗った感じは少々物足りない印象だ。eキャンターFセルのベースは2017年に発表された世界初の量産電動小型トラック、eキャンター。総重量7.5トンのボディーや135kWの駆動用モーターは基本変わらず、違うのは駆動用リチウムイオン電池の小型化と同時に、75kWの燃料電池スタックが加わること。結果、今まで80kWh台の電池で航続距離が約100kmだったのを、300km程度まで延ばせるという。  ただし、乗ってみると絶対的な加速感はノーマルeキャンターに及ばず、特に中速域以上で物足りない。燃料電池の作動音も、アクセルの動きに対してリニアに付いてこない。 「出力はまだトヨタさん、ホンダさんの3分の2ぐらい。やはりスゴいです」と担当エンジニア。  聞けばスタック開発は化学と精密工学の融合。「今までのエンジン開発の方がよっぽど楽」だそうで、性能的には日本製に一日の長があるもよう。

困った時のチャイナ頼み

2020年代後半での量産化も決まっている(写真)小沢コージ

 とはいえ、今後eキャンターFセルに本当にREFIRE製スタックが使われるかはともかく、そう簡単に車両用燃料電池スタックのサプライヤーが見つかるとも思えない。  個人的には去年電動化技術のシステムサプライヤーになると宣言したトヨタに打診したらいい気もするが、当然トヨタとダイムラーはガチンコライバル。技術提携するBMWの手前、そういうわけにもいかないのかもしれない。  困った時のチャイナ頼み。かつてエンジン開発やEV開発ではそんなシーンはなかったと思うが、新分野ではありうる。漠然と中国ハイテク産業のキャッチアップぶりに恐怖を感じた試乗会であった。 (小沢コージ/自動車ジャーナリスト)

 

news.yahoo.co.jp/articles/d60b20a98cf5d4886cd526188d2aba470216b25c

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三菱ふそうeキャンターFセルのプロトタイプ(写真)小沢コージ

小沢コージ【クルマは乗らなきゃ語れない】 「ダイムラーとはタイムラインが合わなかったんです」(担当エンジニア)  化石燃料を使わずとも、貯めた水素ガスと空気中の酸素から電気を発生させて走る「究極のエコカー」ともいわれる燃料電池車。この分野では日本が世界を一歩リードしていると思われるが、気になるモデルにチョイ乗りしてきた。三菱ふそうのeキャンターFセル(eCanter F-cell)のプロトタイプだ。  乗用車ではトヨタMIRAIやホンダ・クラリティフューエルセルなどが商品化済みで、商用車部門でも昨年からトヨタの燃料電池バス『SORA』が都内で運行開始。競争は始まっていて、eキャンターFセルも去年の東京モーターショーでコンセプトモデル発表。今年3月には、2020年代後半での量産化もアナウンスされた。

三菱ふそうはダイムラーAGの完全子会社なのに…

燃料電池スタックは中国REFIRE社製(写真)小沢コージ

 よって今回、三菱ふそうの川崎工場内のテストコースで、チョイ乗りとなったのだが、性能以上に気になったのが、基幹部品である燃料電池スタックの出自。中国トップ燃料電池システムメーカーのREFIRE社製であり、率直に疑問を感じたのだ。  なぜなら今や三菱ふそうは、ドイツのダイムラーAGの完全子会社で、ダイムラーは燃料電池SUVのメルセデス・ベンツGLC Fセルを発表済み。そのセルを三菱ふそうでも使えばいいじゃんと思うのだが。  その答えが冒頭で、具体的にはeキャンターFセルの開発があまりに急に決まり、供給が間に合わず募集したところ同社が応えてくれたらしい。

加速感はノーマルeキャンターに及ばず

乗った感じは少々物足りない印象(写真)小沢コージ

 ぶっちゃけ乗った感じは少々物足りない印象だ。eキャンターFセルのベースは2017年に発表された世界初の量産電動小型トラック、eキャンター。総重量7.5トンのボディーや135kWの駆動用モーターは基本変わらず、違うのは駆動用リチウムイオン電池の小型化と同時に、75kWの燃料電池スタックが加わること。結果、今まで80kWh台の電池で航続距離が約100kmだったのを、300km程度まで延ばせるという。  ただし、乗ってみると絶対的な加速感はノーマルeキャンターに及ばず、特に中速域以上で物足りない。燃料電池の作動音も、アクセルの動きに対してリニアに付いてこない。 「出力はまだトヨタさん、ホンダさんの3分の2ぐらい。やはりスゴいです」と担当エンジニア。  聞けばスタック開発は化学と精密工学の融合。「今までのエンジン開発の方がよっぽど楽」だそうで、性能的には日本製に一日の長があるもよう。

困った時のチャイナ頼み

2020年代後半での量産化も決まっている(写真)小沢コージ

 とはいえ、今後eキャンターFセルに本当にREFIRE製スタックが使われるかはともかく、そう簡単に車両用燃料電池スタックのサプライヤーが見つかるとも思えない。  個人的には去年電動化技術のシステムサプライヤーになると宣言したトヨタに打診したらいい気もするが、当然トヨタとダイムラーはガチンコライバル。技術提携するBMWの手前、そういうわけにもいかないのかもしれない。  困った時のチャイナ頼み。かつてエンジン開発やEV開発ではそんなシーンはなかったと思うが、新分野ではありうる。漠然と中国ハイテク産業のキャッチアップぶりに恐怖を感じた試乗会であった。 (小沢コージ/自動車ジャーナリスト)

 

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