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航空機用の燃料電池やそれを活用したエンジン(電動推進システム)を開発する米ZeroAvia(ゼロアビア)は、2024年7月に英国で開催された世界最大級の航空ショー「Farnborough International Airshow(FIA) 2024」で、実用化に向けた複数の提携を発表したほか、開発品を展示した。

 ZeroAviaはPEM(高分子電解質膜)を用いた固体高分子型燃料電池(PEFC)を開発している。2023年1月には、同社の燃料電池を搭載した19人乗りの双発機「Dornier 228」の初めてのテスト飛行に成功している(図1)。これは当時、燃料電池を搭載した世界最大の航空機の飛行例だったという。

図1 燃料電池を搭載した双発機のテスト飛行
19人乗りの「Dornier 228」を改造し、2023年1月に初のテスト飛行に成功した。その際の飛行時間は10分間だった(写真:ZeroAvia)
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 この双発機は、左翼にZeroAviaの燃料電池ベースのエンジンを搭載し、右翼の純正エンジン1基と連動して運用するように改造された。燃料電池ベースのエンジンは2つの燃料電池スタックを使用し、冗長性のために搭載されたリチウムイオン電池が離陸時のピーク電力をアシストした。

 ZeroAviaは、早ければ2025年内に10~20人乗りの航空機に向けた燃料電池ベースのエンジン「ZA600」の認証を、2027年までに40~80人乗り航空機向けの「ZA2000」の認証を取得したいとしている。ZA600の出力は600kWで、機体の航続距離は約550km。ZA2000の出力は2MW以上で約1300kmが目安としている(搭載する高圧水素ガスの容量など機体設計による)。

 FIA 2024で同社は、出力600kWの航空機用燃料電池システムなどを展示した(図2)。出力が150kWの燃料電池スタックを4つ搭載している。

図2 FIA 2024で展示した出力600kWのシステム
固体高分子型燃料電池で、出力150kWのスタックを4個搭載している(写真:日経クロステック)
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 さらに同社は、FIA 2024に合わせて複数の発表をした。例えば、水陸両用航空機を開発するスイスJEKTA(ジェクタ)が、同社の「PHA-ZE 100」の派生モデルとなる燃料電池コンセプト機に、ZeroAviaの燃料電池を採用し、実証することを明らかにした。JEKTAは燃料電池を搭載するPHA-ZE 100が航続距離500~600kmを達成し、従来の電池駆動と比較してペイロードを1トン追加できるようになることを期待しているという。

 KLMオランダ航空とは、燃料電池を搭載する航空機のデモ飛行を共同で実施すると発表した。具体的には、ターボプロップエンジンを搭載する地域航空機の機体にZeroAviaのエンジン「ZA2000」を載せる。最初の大きなマイルストーンとして2地点間のデモ飛行を2026年に実施するとしている。

 

出力2MWの燃料電池搭載航空機、KLMオランダ航空らが26年デモ飛行へ | 日経クロステック(xTECH) (nikkei.com)

 

出力2MWの燃料電池搭載航空機、KLMオランダ航空らが26年デモ飛行へ

 航空機用の燃料電池やそれを活用したエンジン(電動推進システム)を開発する米ZeroAvia(ゼロアビア)は、2024年7月に英国で開催された世界最大級の航空ショー「Farnborough International Airshow

xtech.nikkei.com

 

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