太陽光から水素を直接生成、ドイツで光触媒の発展形も
水素社会に向け欧州で進む取り組み
ドイツのフラウンホーファー研究機構・セラミックシステム研究所(IKTS)は7月1日、太陽光から水素を直接、生成することが可能な光電気化学パネル「タンデムPECパネル」を開発したと発表した(図1)。
欧州では洋上風力発電やメガソーラー(大規模太陽光発電所)などの再生可能エネルギー設備に連系が増加した結果、地域や時間帯によっては系統網の送電容量を上回る再エネ電力が作られ、その結果、出力制御(出力抑制)も頻発することが課題となっている。
このため、再エネ電力を無駄にせず、貯蔵し活用する方策の一つとして、水の電気分解による水素プラントを導入する動きが活発化しつつある。
また温室効果ガス排出量を抑制するために、化石燃料を水素で置き換えるといった取り組みも欧州の産業界で徐々に進められている。
例えば、イタリアの水電解装置メーカーであるエナプター(Enapter)は7月23日、ステンレス鋼やニッケル合金のメーカーであるコーニュ・アチャイ・スペチャーレ(Cogne Acciai Speciali=CAS)から1MWの水電解システムを受注したと発表した。
CASはイタリア北西部のヴァッレ・ダオスタ州の工場で太陽光や水力による電気で水素を作り、熱が必要な工程の脱炭素化を進めるという。
エナプターは香港サナジーグループ傘下の黒鉛電極メーカーであるサングラフ・インターナショナルからも総出力1.5MWの水電解システムを受注している。
サングラフはイタリア中部のウンブリア州ナルニにある同社工場の製造工程で現在使用している天然ガスの10%を水素に置き換える計画であり、出力2.6MWのメガソーラーを含む水素製造設備を現在、建設中という(図2)。
これらの事例のように、水素を製造するには電気で水を水素と酸素に分解するという水電解が現時点では一般的である。電気分解で使用する電気が太陽光や風力といった再エネ電源に由来するものである場合、生成される水素は「グリーン水素」となる。
しかし、このような従来型の水素製造工程では一般に大型で非常に複雑な電解装置が必要となり、現時点では高コストやメンテナンス、市場での供給量が限定的であるなど、気候変動の対策としては課題が多いとフラウンホーファーIKTSは指摘する。
太陽光から水素を直接生成、ドイツで光触媒の発展形も | 日経クロステック(xTECH) (nikkei.com)
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