分解調査で分かった、トヨタFCV「ミライ」の主要部品
Fuel Cell / 2022. 3. 17. 14:10
「部品コストで考えればかなりお得なクルマだろう」。トヨタ自動車の2代目「MIRAI(ミライ)」を分解調査した技術者の素直な感想だ。車両価格は845万円(消費税込み)と高価だが、刷新した燃料電池(FC)システムや高度運転支援技術「Advanced Drive」(以下、AD)のための新開発部品がずらりと並ぶ。ただし、分析を進めるとトヨタのハイブリッド車(HEV)と共通化した部品も見つかった。
(写真:トヨタ自動車)
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(写真:トヨタ自動車)
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分解したミライの主な仕様
グレード車両寸法車両質量航続距離(WLTC)最高速度プラットフォーム乗車定員
Z“Advanced Drive” |
全長4975×全幅1885× 全高1470mm |
1970kg |
約750km |
175km/h |
GA-L(後輪駆動) |
5名 |
1 昇圧コンバーター
FCスタックで発電した電力の電圧を650Vに昇圧する。SiC(炭化ケイ素)のパワー半導体素子を採用した。(撮影:日経Automotive)
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2 FCスタック
発電を担う中核部品。体積は24Lで質量は24kg。先代のFCスタックは体積33Lで質量41kgだった。(撮影:日経Automotive)
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3 FC用エアコンプレッサー
FCスタックに空気(酸素)を供給する。この部品とは別に、ミライにはエアコン用のコンプレッサーも搭載する。(撮影:松田篤志)
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4 水素タンク
3本搭載していた。水素タンクの直径は先代品から小さくなっており、車両の全高を65mm下げられた。(撮影:松田篤志)
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5 駆動モーター
トヨタのFR(前部エンジン・後輪駆動)系ハイブリッド車(HEV)と共用する。最高出力は134kWで、最大トルクは300N・m。(撮影:日経Automotive)
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6 LiDAR
平面ミラーをモーターで動かす「メカニカル式」で、車両前方を監視する。検知距離は200m以上、水平検知角は120度。(撮影:加藤 康)
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7 ロケーター望遠カメラ
望遠カメラと近距離用カメラ(ロケーターカメラ)で構成する。望遠カメラ用CMOSイメージセンサーの画素数は540万画素。(撮影:加藤 康)
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8 ADAS用ECU(Al処理用)
「ADX ECU」と呼ぶもの。望遠カメラで撮影した映像を解析して認識精度を高める。AI技術を搭載した。(撮影:日経Automotive)
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9 ADAS用ECU(メイン)
「ADS ECU」と呼ぶもの。自動運転制御の基本ロジックを搭載する。高性能SoCを2個内蔵し、冗長性を確保している。(撮影:日経Automotive)
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10 冗長電源モジュール
自動運転システムのメイン電源が失陥した際に働く。新型ミライは、バックアップ用電源としてリチウムイオン電池を備える。(撮影:加藤 康)
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11 Ethernetハブ
トヨタはADのシステムに車載Ethernetを採用した。ハブは2個あり、荷室右側と運転席側のダッシュボード内に配置した。(撮影:加藤 康)
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12 エアクリーナー
発電のために吸い込んだ空気を浄化する。化学物質を吸着するケミカフィルター(左)と粉じん除去フィルター(右)を内蔵。(撮影:松田篤志)
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