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  1. 2020.08.31 「三菱ふそう」がBEVとFCVの2軸で勝負する訳

2039年までにCO2ニュートラルは実現できるか

消費財と称される乗用車に対して、商用車はわれわれの生活を支える生産財。プロフェッショナルの道具として機能する商用車の守備範囲は幅広い。物流業から建設業など一連の業種を担いつつ、バスともなれば公共交通機関や観光業にまで多岐にわたる。

「eCanter F-Cell」のプロトタイプ(前)と量産型の「eCanter」(後)(筆者撮影)

 

2019年、全世界で48万8500台の商用車を販売したダイムラートラックAGは、乗用車で培った電動化技術を礎に、商用車の電動化についてもヨーロッパや北米、そして日本を中心に推し進める。

これまでメルセデス・ベンツのトラックとバス部門は、ドイツを代表する企業の1つであった旧ダイムラーAGの一角であったが、2019年11月1日に大がかりな組織改編により、新たにダイムラートラックAGとして組織化された。

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この組織改編は歴史的規模で行われ、一極集中のダイムラーAG体制から大きく3つに分社法人化。乗用車を中心とした「メルセデス・ベンツAG」、商用車を中心とする「ダイムラートラックAG」、MaaSをはじめ新しい乗り物形態を担当する「ダイムラーモビリティAG」をそれぞれ名乗る。

現在、3つの企業体の総従業員は約29万4000人で、そのうちダイムラートラックAGは約10万人(約34%)を占める。

三菱ふそうトラック・バス株式会社は、現在、ダイムラートラックAGの一員として神奈川県川崎市に本社を構える。前身が1920年に3トン、4トン積み軍用トラックを三菱造船(神戸造船所)で製造したことを皮切りに、1932年に「B46型バス」、1941年に「YB40型2トントラック」を日本市場に送り出す。そして2003年に、三菱ふそうとして三菱自動車から分社化され今に至る。

2010年から電動化に取り組んできた「三菱ふそう」

三菱ふそうでは、2010年9月にBEV(電気自動車)である小型トラック「キャンター E-CELL」を世界的な商用車ショーである「IAA2010」、翌2011年の「東京モーターショー」にそれぞれ出展。2013年6月にはパワートレーンを強化した第2世代のキャンターE-CELL用いてNEXCO中日本との実証実験を開始する。同時にポルトガルやドイツでも実証実験を重ねた。

その後、キャンターE-CELL改め「eCanter」として2016年の「IAA2016」に出展、2017年7月からは川崎工場(神奈川県川崎市)において電動小型トラックeCanter(車両総重量/GVW7.5トンクラス)の量産を行っている。

 

現在、三菱ふそうではBEVである電動小型トラックeCanterとともに、燃料電池をパワートレーンとした電動小型トラックの開発も進めている。

2019年の「東京モーターショー」で「Vision F-Cell」として初公開された燃料電池小型トラックは、2020年3月26日に開催された燃料電池車両に関するオンライン説明会の場で、名称を「eCanter F-Cell」に改めたことが発表された。

同説明会の冒頭で、三菱ふそうの代表取締役社長でありダイムラー・トラック・アジア代表のハートムット・シック氏は、「2022年までにBEV商用車の量産体制を実現し、2020年代後半までに燃料電池トラックを量産する」と発言。

2020年代後半に燃料電池トラックの量産を開始することが明言された(写真:三菱ふそう)

そこで筆者は、「2020年代後半とする量産体制とは、SOP(Start of Production/製造開始)のタイミングなのか、それとも販売を行うタイミングなのか」と質問する。

それに対して「SOPです。このビジョン実現には、電気自動車や燃料電池自動車の充電・充填設備の整備、水素インフラの整備および車両購入時の補助金といった政府からの支援などの必要なインフラやサポート態勢が整ったうえで、初めて実現すると考えています」と回答した。

たしかに車両を製造することと、販売を行い事業として軌道に乗せることは、別の側面で異なる課題がある。それが燃料電池車であればなおのこと。

2015年にトヨタの燃料電池車「MIRAI」の製造工場を取材したが、最先端のクルマとはいえ手作業が多く工作機械においてもより高い精度が求められることから、1日の生産台数に限りがある(当時は3台/日)と説明を受けた。

普及のカギとなる水素ステーション

一方、販売面においては乗用車と同じく、燃料となる水素を充填する水素ステーションの普及がひとつの要だ。

「日本における水素充填スタンド数は現状、112カ所を数えるが、2020年代の後半時点でどの程度までその数が増えていると、三菱ふそうが目指したCO2ニュートラルプランとの採算点と符号するのか」と筆者が質問する。

すると三菱ふそうは、「経済産業省は今後、水素ステーションを大幅に増やしていく構想を持っています。この構想が実現するのであれば、商用車に関しては問題ないと考えます。また、経済産業省は同時に2030年までに水素燃料の価格を段階的に下げる計画も打ち出しており、これに伴い燃料電池車は将来的に市場において競争力を持つだろうと考えます」と回答した。

さらに続けて、「eCanter F-Cellは、三菱ふそうにとって初めてのプロトタイプですが、この具現化により、三菱ふそう社内でトラックに燃料電池を組み込む礎ができました。またダイムラーグループは、燃料電池技術において長年の経験と知見を持っており、三菱ふそうには、これらを活用できるメリットがあります。初期の段階ではコストが大きなチャレンジとなりますので、一定台数を生産し、コストを下げるまでは、政府からの助成金が必要と考えます」と話す。

このように三菱ふそうには、「政府の支援なくして燃料電池小型トラックの普及は難しい」という考えがあることがわかった。

しかしながら、押し寄せる電動化の波は乗用車の世界だけにとどまらない。この先は、商用車にも等しく訪れる。電動化の三種の神器とされる「モーター」「バッテリー」「インバーター」はいずれも量産効果を持ち、それにより技術的な昇華が見込めるからだ。加えて、量産効果は燃料電池の源であるFCスタックにしても同じである。

2039年までにCO2ニュートラルを目指す

一方、三菱ふそう(ダイムラートラックAG)のICE/内燃機関を搭載した既存の販売車両に対する電動化についてどう考えているか、ダイムラートラックAGに訊いた。

「ダイムラーでは現在、ICEを用いたハイブリッド技術は2039年までの移行期間のオプションとして見ています。可能性に関する最終評価はまだ保留中です。ハイブリッド技術はCO2ニュートラルではないため、われわれのターゲットには含まれていません」

なるほど、現時点でICE車両をハイブリッド化して2040年以降も延命する考えはないと言う。そのうえで、ダイムラーAGが掲げるCO2ニュートラルについて質問すると、次のような答えが返ってきた。

「2019年に、ダイムラーとして2050年までにCO2ニュートラル輸送を実現することが、私たちの最終目標であることを発表しました。ここで掲げた、2050年までにすべての車種をリニューアルするプランの実行には約10年かかる見込みです。まずは2039年までに、主要地域である欧州、日本、北米において『Tank To Wheel (TTW)』の走行時CO2ニュートラル車両のみを提供する、これが目標です」

さらに2020年4月に発表したボルボとの合弁事業については、「2022年までに、主要な販売地域である欧州、米国および日本での車両ポートフォリオに、電気自動車の量産車を含める予定です。計画されている燃料電池の合弁事業に関するボルボグループとの共通の目標は、2020年代後半までに航続距離がより長い燃料電池車の大型車両を提供することです」とした。

BEVトラックの量産体制をあと2年で構築する(写真:三菱ふそう)

別角度からの質問として、CO2ニュートラル車両が前提となるCO2ニュートラル輸送について伺い、以下のような回答を得た。

「それはCO2に依存しない駆動、つまり電池と水素のみで成立します。ダイムラーではトラックとバスの両車で、電池と水素のテクノロジーを共存させ、相互に補完し合うことができると確信しています。燃料電池は、重負荷および要求の高い長距離向けの環境に配慮した技術であるため、これらの2つのテクノロジーを使用することで、あらかじめルートが決まっている都市内の配送から、事前のルート計画が難しい数日以上にわたる大型貨物の輸送まで、お客様の多様な輸送ニーズのすべてをカバーできます」

また、「最終的に車両のTCO(Total Cost of Ownership/総所有コスト)は、どの技術が、どの目的に適しているかによって決定されます。ダイムラーは今後数年間で、バッテリー電気駆動(BEV)と、水素ベース駆動(F-Cell)の両方に多額の投資を行い、それらを使用して幅広い車両を構築します」とも話す。

2020年代後半の「eCanter F-Cell」に期待

三菱ふそう(ダイムラートラックAG)は、電動小型トラックを含めた商用車全般に対し、BEVとF-Cellの両面から普及を目指す。今回の小型トラックではBEVであるeCanterのパワートレーンをベースにしながら、そこからバッテリー搭載量を減らし、代わりにFCスタックといった動力源によって求められる駆動力を確保する。

2020年6月現在、eCanterは全世界で150台以上を販売、うち40%近くを日本国内で販売した実績がある。続くeCanter F-Cellでは、経済産業省が進める水素インフラ拡充プランとともに2020年代後半の量産化を目標に、販売に向けた車両開発を進めている。

 

 

Posted by Morning lark
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