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 元写真フィルムメーカー大手であるベルギーAgfa-Gevaert(アグファゲバルト)がアルカリ水電解(AWE)の隔膜を刷新し、その市場を席巻した一方、プロトン交換膜(PEM)タイプの水電解技術でも隔膜の大きな技術革新が起こりつつある。開発したのは、東レだ。

 これまでPEM、及びその逆の反応を用いる燃料電池技術の固体高分子形燃料電池(PEFC)では、「Nafion†」という有機フッ素化合物(PFAS)†の一種が市場をほぼ独占している。

Nafion=疎水性テフロン(PTFE)を主鎖、スルホン酸基を持つフルオロアルキルエーテルを側鎖とする有機フッ素系材料。1938年に米DuPontが開発した。少なくともこれまでは、高いプロトン伝導性や高い耐久性が評価され、PEFCやPEMなどでほぼ一択の材料だった。ただし、材料の大部分が、炭素Cとフッ素FのC-F結合から成り、広義のPFASには含まれる。
PFAS(Per-and polyfluoroalkyl substances)=有機フッ素化合物。自然環境では非常に分解されにくく、最近になって人体への悪影響も指摘されてきたことから、欧州連合(EU)の欧州化学品庁(ECHA)に2023年1月にPFASの規制案が提出された。同案では2025年に規制内容が固まり、2027年に実際の規制が発動する。ただし、一部の材料には5年または12年の猶予期間が設けられる。実際には定義によって対象となる化合物が大きく変わる可能性がある。広義の定義では、CF3基、または-CF2-基を1つでも持つ材料全般で、PTFEやNafionも含まれる。一方、規制対象としては、ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)、ペルフルオロオクタン酸(PFOA)、ペルフルオロヘキサンスルホン酸(PFHxS)に属する材料に限定するという議論もある。これにはPTFEは含まれないが、Nafionは含まれる。ただし、案では5年の猶予期間が提案されている。

 これに対し、東レが2021年に発表した「炭化水素系(HC)電解質膜」は、同社が20年かけて開発してきた成果だという。プロトンの伝導率がNafionの2倍と高いだけでなく、AWEでも重要だったガス透過性や強度、耐熱性など多くの点でNafionの特性値を大きく上回る(図1)。

図1 東レがゲームチェンジ級のPEM用隔膜
東レが開発した、PEM用隔膜(a、b)。これまで事実上市場を独占していた「Nafion」を代替することを狙う。プロトンの伝導性がNafionの2倍で、ガスの透過性は1/3など著しく高い性能を備えるとする。さらに、炭化水素ベースなので、Nafionと違って、PFASフリーである(出所:(a)~(c)は東レ、(d)は日経クロステック)
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 その低ガス透過性については、Agfa-GevaertのAWE向け隔膜「Zirfon PERL」シリーズ同様、再生可能エネルギーの出力変動への応答性を高められ、また稼働最低ラインは引き下げられるとする(図2)注1)。これらの結果として、少なくとも欧州では、グリーン水素のコスト低減に大きな役割を果たせるという(図3)。

注1)東レは、この低ガス透過性を備えた隔膜は、水電解とは異なる水素圧縮にも使えるとする。一度、プロトンの形で透過させた後、H2分子に戻すと逆流できないからである。
図2 再エネの出力変動に強く稼働率も向上
太陽光発電の出力が大きく変動した場合に、東レのHC電解膜を用いた場合の2つのメリット(a)。1つは、加圧に強いことやガスの透過性が低いことで急激な出力変動にも追随可能になる点。もう1つも、ガスの透過性が低いために、低出力時の電解液の混合による水素と酸素の混在率の上昇を防ぎやすくなる点。結果として、稼働率が高まる(出所:(a)は東レの資料に日経クロステックが加筆して作成)
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図3 HC電解質膜でグリーン水素の生産コストが大幅減か
東レが試算した、欧州市場におけるグリーン水素の生産コスト低減の見通しを示した。欧州市場ではグリーン水素は約6ユーロ/kgだという。ただし今後、再生可能エネルギーの電力コストがほぼ半減する見通し。加えて、東レのHC電解質膜を用いたPEM形水電解装置を使うと、(i)低ガス透過性によって稼働率が向上、(ii)高い電流密度によって装置コスト(CAPEX)が1/2に、(iii)効率向上によって電力コスト(OPEX)の実質的な下落が見込める。結果として、目標とされている、グリーン水素のコスト2ユーロ/kgの実現が見えてくるという(出所:東レの資料を基に日経クロステックが作成)
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出荷先も確保か

 この材料の可能性については東レ自身の鼻息が荒い。同社代表取締役副社長で執行役員、技術センター所長の萩原識氏は、このHC電解質膜に水素タンクなども含めた水素関連事業の事業規模について「2022年は200億円だったが、25年には目標額として600億円、30年には期待額として3000億円を想定している」と述べた。

 当面の出荷先は既に確保したようだ。現時点で、日立造船やドイツSiemens Energy(シーメンスエナジー)などが山梨県で進める水電解装置の実証実験にこのHC電解質膜を使う方針である。さらに、東レの欧州子会社で水電解装置事業を手掛けるドイツGreenerity(グリナリティー)は、2023年10月時点で1GW超の装置が稼働し、2025年には3GW、2030年には10GW以上まで設備を増強する計画であるという。

PFAS規制が強力な追い風に

 もっとも、PEM形水電解装置を手掛けるあるメーカーのある技術者は「現時点では耐久性などについての実績がなく、すぐに製品に採用することは考えていない」と冷静だ。ただし、「欧州で近く始まるPFAS規制で、実際にNafionが規制対象になれば、数少ない代替材料として有力な選択肢になる」(同)とする。

 東レがHC電解膜を発表した2021年時点ではここまでPFAS規制が具体化するとは想定していなかったはずだ。実績を重視する水電解業界では、Nafionが規制の対象になるかどうかで、HC電解質膜の近未来が左右される可能性がある。

 

PEM形水電解では東レや東芝系にチャンス、PFAS規制が追い風に | 日経クロステック(xTECH) (nikkei.com)

 

PEM形水電解では東レや東芝系にチャンス、PFAS規制が追い風に

 オランダAgfa-Gevaert(アグファゲバルト)が隔膜を刷新したアルカリ水電解(AWE)に対して、プロトン交換膜(PEM)形でも隔膜の大きな技術革新が起こりつつある。それを主導するのは、東

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