これがホンダ・GM共同開発の燃料電池、セルは一回り大きく
ホンダが米GMと共同開発する燃料電池(FC)ユニットが姿を現した(図1)。従来システムからFCセルを一回り大きくすることで、発電能力の向上や量産性の改善を図ったようだ。
ホンダは、乗用車タイプの燃料電池車(FCV)「クラリティフューエルセル」の販売を2021年9月に終了していた。リース販売として累計1900台程度と少なかったからだろう。FCV市場での再起を図るホンダは、早ければ23年ごろに次期モデルを投入するという。
その車両に搭載するFCシステムは、GMと開発したものになりそうだ。両社は13年にFCシステムの共同開発で提携した。開発が佳境を迎える現在は、「本田技術研究所の国内拠点で試作システムを動かし、性能を検証している」(本田技術研究所の開発担当者)段階である。新型コロナウイルス感染症の影響でGMの開発拠点との行き来は制限されるが、「オンライン会議システムを使ってGMの開発担当者と密に連絡を取っている」(同担当者)という。
その共同開発品が、「第18回 FC EXPO 水素・燃料電池展」(22年3月16~18日、東京ビッグサイト)でホンダが展示したFCユニットである。出力は80kW。ユニットの寸法は835×605×660mmで、「乗用車のフロントフード下に搭載できるサイズ」(同担当者)に仕上げた。
ホンダは総合展示会「スマートエネルギーWeek 2022 春」中の「第18回 FC EXPO 水素・燃料電池展」に、2023年の投入を予定する第2世代燃料電池車(FCV)向けパワーユニットを出展した。ただし、色ガラス越しの“チラ見せ”である。
ホンダは21年6月、水素を燃料とする第1世代のFCV「クラリティ FUEL CELL」の生産を中止し、その販売を同年9月で終了すると明らかにした。このことで「ホンダはFCVから撤退」とみる向きも一部にあった。これに対して同社は「それは誤解。確かにクラリティFCは生産中止だが、水素やFCVにはむしろ注力していく」(同社の説明員)とする。
ただし、この次世代パワーユニットの搭載先としては、クラリティFCと同様な乗用車タイプというよりは、むしろ大型トラックや大型の可搬型電源装置を想定しているようだ。
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